どうも、mahuyuchanです。今回は、自分のボディビルコンテスト経験を元に、コンテストに出場するまでに行う必要のあることを解説していきます。
目次
オフシーズンの過ごし方は?
まず最初に、オフシーズンの過ごし方から解説します。
筋肉のサイズを増やす
オフシーズンに1番集中して取り組むべきことは、筋肉のサイズを増やすことです。
ボディビルコンテストでは、脂肪の少なさや体のバランスの良さなども評価されますが、なんと言っても筋肉の大きさがないことには話になりません。
オフシーズンは次のコンテストに向けた準備期間であるため、食事量を増やしながらトレーニングを行うことで、筋肉のサイズを増やしていくことができます。
食事量を増やさないと筋肉は増えないですが、増やし過ぎは脂肪の蓄積を促すだけなので注意が必要です。
オフシーズンの摂取カロリーは、下記の式の値を超えないようにしましょう。
除脂肪体重(kg)× 40
仮に除脂肪体重が60kgであれば、摂取カロリーの最大量は2400kcalということになります。
5分で分かる理想の筋肉つくり「トレーニング」「食事」「休養」
オフシーズンには、なんとしてでも筋肉量を増やそうという強い意志が必要です。
筋力を伸ばす
筋肉のサイズを増やすということは、筋力を伸ばすことと密接に関わっています。
筋肉のサイズが増えればそれだけ扱える重量は伸びますし、逆に、扱える重量が順調に伸びているならば、筋肉も増えていると考えて間違いないです。
筋肉のサイズが増したかどうかは、1ヶ月程度の単位ではなかなか気づけないですが、ジムでの使用重量が伸びているかどうかは、毎回のトレーニングのたびにチェックできるため、1つの指標となります。
オンシーズンでも筋力を伸ばせればベストですが、それはなかなか難しいため、体力も気力も充実しているオフシーズンに、なるべく筋力を高めるようにすると良いでしょう。
トレーニングの形式は、筋量を増加させるのに最適な中重量(6回から12回程度できる重さ)を用いて、全力を出し切ることがおすすめです。
注意したいのはトレーニングのやり過ぎです。
オフシーズンは体力が充実しているためにトレーニング量が増えがちですが、多すぎるトレーニングは逆に体の発達を妨げてしまいます。
トレーニングは、長くても1時間半程度で終えるようにしましょう。
筋力が順調に伸びているならば、それだけ筋肉量も増えていると考えて良さそうです。
脂肪を増やし過ぎない
オフシーズンに入ると、たくさん食べることでとにかく体重を増やそうと考える人がいます。
自分もかつてはそうでしたが、実はこのやり方はあまり賢いやり方ではありません。
たくさん脂肪をつければ、減量に必要な時間も長くなり、その分、同時に筋肉を失うリスクも高めることになります。
仮にオフシーズンに20kgの増量をして、10kgの脂肪と10kgの筋肉を増やすことができたとします。
ここから減量に入ると、減量期間は最低でも5ヶ月程度は必要となります。
脂肪を減らす時には同時に筋肉も減ってしまうため、10kgの脂肪を減らすことに成功した時に残る筋肉は、よくて500gから1kg程度だと思われます。
一方、増量幅を10kgに抑えて、5kgの脂肪と5kgの筋肉を増やした場合は、20kgの時と比べて減量期間は半分になります。
減量期間が短ければ、それだけ筋肉が分解される期間も短くなるため、最終的に残せる筋肉は、20kg増量の場合よりも多くなる可能性があります。
昔ながらのやり方では、オフにはたくさん食べることがすすめられていましたが、賢い増量法を行うことができれば、もっと効率よく筋肉を残すことができるでしょう。
脂肪を増やし過ぎないためには、自分に必要なカロリーを正しく把握する必要がありそうです。
オンシーズンの過ごし方は?
続いては、オンシーズンの過ごし方についての解説です。
目標体重を決める
コンテストに向けて減量をすることが決まったら、まずは目標体重を設定しましょう。
目標体重に向かって減量を行っていくことで、モチベーションが低下することを防ぐことができます。
目標体重を決める際は、現在の体脂肪率を目安に考えると良いです。
コンテストに出場できるレベルの体脂肪率は、多くても6%程度で、できれば4%までは絞りたいといったところです。
この数値を元に、自分が落とす必要のある脂肪の量を計算します。
また、体重制限のあるコンテストに出場する場合は、そのカテゴリーのリミットギリギリをとりあえずの減量目標にすることもできます。
何らかの形で目標体重を定めることで、減量のモチベーションが維持できるようになります。
減量計画を立てる
目標体重が決まったら、そこから逆算して減量に必要な期間を計算します。
あまりにも急激なペースで体重を落とそうとすると、それだけ筋肉を犠牲にすることになるため、減量は焦らずに行うことが理想です。
ボディビル雑誌を読んだり、ボディビルダーの解説を聞いたりしていると、筋肉をできるだけ犠牲にせずに落とせる体重は、1ヶ月あたり4kgが最大であるという意見が多いです。
これ以上の体重を落とす必要がある場合は、それだけ筋肉を犠牲にすることは覚悟しないといけません。
もし現在の体重が70kgで、目標体重が60kgならば、減量には3ヶ月が必要ということになります。
理想を言うならば、大会の1ヶ月前には減量は終了して、残り1ヶ月でコンディションを整えていきたいので、この場合のトータルの減量期間は4ヶ月確保できればベストです。
また、往々にして減量は予定通りには進まないので、少し余裕を持って減量期間を設けておくと、心理的な負担が軽減されます。
減量計画を失敗するとコンテストに間に合わなくなるので、この計算は丁寧に行ってください。
カードを一度に切らない
減量で重要なのは焦らないことだと書きましたが、これに関連して、減量のテクニックを一度に使わないことも重要です。
例としては、食事制限、有酸素運動、サプリメント等を一度に使うことは避けた方が良いということが挙げられます。
一度に全てのテクニックを使ってしまうと、減量が停滞した時に次に切るカードがなくなってしまいます。
まずは食事制限だけから始め、それで体重が変化しなくなったら、有酸素運動を加えたりサプリメントの摂取をしたりというように、順序立てて行うことが重要です。
体重が予定通りに減らないと、焦って様々な手段を取ろうとしますが、これが結果的に減量の失敗に繋がりかねません。
これを防ぐためにも、減量期間にはある程度の余裕を持たせると良いでしょう。
減量目的の有酸素運動はいつ行うのがベスト?ボディビルダーが解説/a>
自分の使えるテクニックは小出しにしていくことが重要なようです。
ポーズ練習をしよう!
ボディビルコンテストに出場するためには、厳しい減量を乗り越えるだけでなく、ポージングを習得する必要があります。
この章では、規定ポーズとフリーポーズについて解説していきます。
規定ポーズ
ボディビルコンテストでは、7種類の規定ポーズというものがあり、これを出場者全員が行うことで、比較審査が行われます(予選だとポーズの数が減ることもあります)。
7種類のポーズそれぞれの特徴について解説していきます。
※画像はIFBBの公式ルールページより引用しています。
フロントダブルバイセプス
フロントダブルバイセプスポーズは、腕の太さ、背中の広がり、大腿四頭筋の発達等が審査されるポーズになります。
腕に関しては、上腕二頭筋に力を入れつつ、上腕三頭筋にも力を入れて太く見せる必要があり、練習を重ねて習得する必要があります。
また、ポージングを始めたての頃は脚から力が抜けてしまうことが多いです。
常に、大腿四頭筋のセパレーションが出るように意識できるまで練習しましょう。
以前は直立でポーズを取る選手もいましたが、最近は、ルール変更により、片足を若干横にずらすポーズが基本となりました。
フロントラットスプレッド
フロントラットスプレッドポーズは、背中の広がりと大胸筋の厚みを見せるポーズです。
背中の広がりを出すコツは、肩甲骨を横方向にスライドさせるようにすることですが、これを意識しすぎると、大胸筋の緊張が抜けてしまいます。
大胸筋の力が抜けないようにしつつ、うまく背中を広げることがこのポーズでは重要です。
忘れがちですが、フロントダブルバイセプス同様に脚の力は抜いてはいけません。
サイドチェスト
サイドチェストポーズは、横から見た時の体の厚みを評価するポーズです。
大胸筋の厚み、腕の太さ、ハムストリングスの筋量等が審査の対象です。
今までのポーズ同様に、全身に力を入れた状態を維持しないといけないため、十分に練習期間を取って感覚を覚える必要があります。
バックダブルバイセプス
バックダブルバイセプスポーズでは、背中の厚みと密度、臀部からハムストリングスにかけての脂肪の少なさが審査されます。
背中の厚みは、肩甲骨を寄せるようにすると簡単に出せますが、そうすると今度は背中の幅がなくなって迫力が減ってしまうため、その加減が難しいです。
また、十分に減量が完了していないと、臀部からハムストリングスにかけてのカットを出すことが難しいです。
実力が如実に出るポーズと言えると思います。
バックラットスプレッド
バックラットスプレッドポーズでは、背中の広がりが審査されます。
肩甲骨を前方にスライドするようにすると広背筋が広がるので、その感覚を身につけるまで練習する必要があります。
以前はバックダブルバイセプスのように片足を後ろに引くポーズが主流でしたが、ルール変更により、画像のように足を揃えるポーズが基本となりました。
足を後ろに引くと臀部やハムストリングスに力が入れやすく、脂肪が多少乗っていてもごまかせましたが、足を揃えるポーズになってからはそれができなくなったので、しっかり減量できている選手が評価されるようになりました。
サイドトライセプス
サイドトライセプスポーズでは、横から見た体の厚みを審査しますが、特に上腕三頭筋の発達が重要になります。
体の後ろでの手の組み方次第で力の入り方も変わるため、自分が1番筋肉を強調できるポーズの取り方を練習する必要があります。
アブドミナルアンドサイ
アブドミナルアンドサイポーズでは、腹筋と大腿四頭筋の発達が評価されます。
上半身を丸めるようにすると腹筋に力が入りますが、丸めすぎると全体のバランスが崩れるため、加減が難しいです。
また、他のポーズ同様に脚から力が抜けてはいけません。
初めてのコンテストではポージングを覚えるだけでも大変ですが、正しい力の入れ方や筋肉の見せ方を覚えるのはさらに大変です。
フリーポーズ
ボディビルコンテストでは、予選を通過すると、自分の好きな曲を流しながら、自分で考えた振り付け通りにポージングする、フリーポーズというものを行います。
規定ポーズでは、自分の長所も弱点も等しく審査されてしまいますが、フリーポーズでは、自分の長所だけをアピールすることもできます。
自分一人で考えたポーズには必ず欠点があるものなので、指導者が近くにいる場合は見てもらうと良いでしょう。
表現力で大きく審査が変わることはないですが、個人的には、ドラマチックな振り付けを見ることで感動できるフリーポーズは非常に好きです。
動画の鈴木選手のフリーポーズは、特に人々を感動させる面が強いと思います。
登録関係
続いては事務手続き関連です。
JBBF加盟登録
国内にはボディビル団体が大きく分けて4種類ありますが、その中で1番メジャーなJBBFのコンテストに出場するには、連盟への登録が必要です。
以前は、連盟に加盟するには、登録されているジムに入会していることが条件でしたが、最近は個人でも登録できるように変わってきている部分もあるようです。
アンチドーピング講習会
ドーピングをする選手を減らす目的で、ここ数年で行われるようになったのがアンチドーピング講習会です。
筋肉の発達が審査に大きく関わるボディビル競技では、残念ながら禁止薬物の使用者が後を絶ちません。
ドーピングをするかどうかは個人の判断ですが、禁止薬物を使う場合は、JBBFのコンテストには出場して欲しくないというのが個人的な見解です。
コンテスト出場登録
自分が出場するコンテストごとに参加登録をする必要もあります。
連盟に加盟するジムに入会している場合は、ジムが扱っている用紙に必要事項を書いて入金すれば登録は完了ですが、個人登録で出場する場合は、自分で全て行う必要があるので注意が必要です。
せっかく体を仕上げたのに事務手続きを忘れたということのないようにしましょう。
最終調整では何を行う?
減量で脂肪の減った体をさらによく見せるためのテクニックが最終調整ですが、難易度が高い部分もあるので、初心者にはおすすめしません。
水抜き・塩抜き
ボディビルコンテストでは、皮下脂肪がどれだけ少ないかが重要になります。
皮下脂肪が少なければ、皮膚が非常に薄くなり、筋肉の輪郭がはっきりと見えるようになります。
脂肪が減った状態からさらにコンディションを良く見せるためのテクニックが、水抜きと塩抜きです。
皮膚の下から水分が抜けると、筋肉に皮1枚が張り付いたような質感になり、非常に見栄えが良くなります。
大会の1週間前程度から摂取する水分と塩分を調整することで、大会当日にこのコンディションを作ることを目標としますが、何度も経験しないと難しいという側面があります。
自分自身もコンテスト出場時に何回か試しましたが、うまくいったと感じたことはなかったです。
水抜きや塩抜きを失敗する理由で最も多いと考えられるのが、脂肪を十分に落とし切れていないことです。
脂肪が残っている状態では、水分が抜けたとしても質感はほとんど変わりません。
体脂肪率で言えば、3%程度まで落とすことができて初めて効果のあるテクニックではないかと思います。
また、水分を制限しすぎると、今度は筋肉中の水分が抜けて、筋肉の張りがなくなってしまいます。
個人的には、このテクニックを使わなくとも、減量がしっかりと終わっていれば十分戦えると思うので、あえて難しいことに挑戦しなくても良いと思います。
水分や塩分を制限することでコンディションを良くできるのは事実ですが、そのテクニックは非常に高度です。
カーボアップ
大会直前に行えるもう1つのテクニックにカーボアップがあります。
筋肉中には、グリコーゲンという形で糖質が蓄えられていますが、このグリコーゲンの量を意図的に増やすことで、筋肉を張らせようというのが概要になります。
カーボアップを行うためには、まずは炭水化物の摂取量を減らすことから始めます。
炭水化物が減った状態が続くと、体は、次に炭水化物が補給された時に、より多くの量を筋肉中に蓄えようとするようになります。
ただし、ここまでの減量で相当量の炭水化物を減らしている場合は、ここでさらに炭水化物をカットする必要はありません。
また、筋肉量が少ない選手は、そもそも筋肉中に蓄えられる炭水化物の量も少ないため、過度に炭水化物を制限する期間を設ける必要はありません。
炭水化物を減らす期間としては、減量中に比較的多くの炭水化物を摂取できていた選手の場合は、2日ほど設ければ十分です。
カットする炭水化物の量は、それまでに摂取していた量の半分程度が理想で、炭水化物の制限により減った分のカロリーは、タンパク質等から代わりに摂取するようにして、できるだけ筋肉の減少を防ぐようにします。
炭水化物をカットする期間が終わったら、今度は炭水化物を補給することになりますが、ここで食べすぎることは絶対に避けないといけません。
多すぎる炭水化物の摂取もまた、皮膚の質感の悪化に繋がります。
減量終盤に摂取していた炭水化物量の2割増しを、2日か3日程度摂取すれば十分です。
1番行ってはいけないのは、カーボアップに過度の期待をすることです。
水抜きや塩抜きと同様に、これまでの減量でコンディションを十分に整えられているならば、あえて取り入れて失敗するリスクを負う必要はないです。
大会に何度も出場して、自分の調整が分かってきているような選手は、取り入れることでさらに良いコンディションが作れますが、初心者や、数回コンテストに出た程度の経験であるならば、避けた方が良いテクニックであると言えます。
考慮することの多いテクニックがカーボアップです。
無理に取り入れてそれまでの減量を台無しにするくらいなら、行わないのが無難です。
まとめ
今回はボディビルコンテストに出場するまでに行う必要のあることをまとめて解説しました。
これからコンテストに初めて出場するという人の参考になれば幸いです。
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大会に出場するまでの流れをまとめていただきありがとうございます。
準備から出場までの計画をきっちり立てるのも重要ですね。
規定ポーズもとてもわかりやすくて参考になります。
他のスポーツだと、年間を通して何回も大会があるかと思いますが、ボディビルのコンテストは非常に少ないため、1年のほとんどの時期は、次の大会のための準備をしている期間になります。
1年間うまく計画を進めないと勝てないので非常に難しい競技だと思います。
ちなみに、ポーズ練習は通常のトレーニング以上にハードです。
コメント失礼します。
75kgで体脂肪を1%落とすとなると
75k×0.1=750gという計算で合ってますか??
すると74.25kgになるので
74.25kg×0.1=73.50kgで
2%ダウンになりますよね??
最初の返信で誤りがあったので、改めてコメントします。
仮に体重75kgで体脂肪率が20%あるとすると、体脂肪量は15kgになります。
体脂肪率19%の時の体脂肪量は、75×0.19=14.25kgとなるので、750gの体脂肪減少が必要となります。
2%の減少の場合は、75×0.18=13.5kgとなり、1500gの体脂肪減少が必要です。
脂肪と同時に筋肉も落ちるので、この場合は、体重を1kg落としたら体脂肪率が1%下がるというような認識で良いと思います。
体脂肪率や体重の数値は自分のものに置き換えてみてください。