どうも、mahuyuchanです。今回は、大学でトレーニングをしていた時に行っていたマッスル北村式ハードコアワークアウトを紹介しつつ、マッスル北村さんについても簡単に触れたいと思います。
目次
マッスル北村とは?
人格者として
マッスル北村さんは本名を北村克己といい、その生涯全てをボディビルに捧げた人物です。
中学生の頃から肉体鍛錬を続け、その屈強な体と精神力を培ってきたことが有名です。
また、東京大学及び東京医科歯科大学に合格したにもかかわらず、ボディビルに専念したいという思いの強さによって、両方とも中退していることも知られています。
あまりにも強い精神力が肉体の負担を凌駕してしまったために、2000年に減量による低血糖で惜しむらくも亡くなられました。
自分は直接マッスル北村さんとお会いしたことはないのですが、親しくしていた東大のジムのトレーナーさんがマッスル北村さんと交流があったため、その時の昔話はよく聞いていました。
とにかくマッスル北村さんは優しくて人格者であったようです。
話を聞くたびに、誰にでも親切で丁寧なその人柄を見習いたいと思っていました。
ちょうど今年は没後20年ということで、アイアンマンでも様々な企画が行われいるようですので、興味のある方は調べてみてください。
強いだけでなく、心優しい人格者であったことは素晴らしいことだと思います。
ハードトレーニング
マッスル北村さんの行うトレーニングは、異常なまでに強度が高かったようです。
マッスル北村さんのトレーニング内容をまとめた「マッスル北村伝説のバルクアップトレーニング」の中では、3回程度しかできないダンベルを用いたダンベルフライを、延々とやり続けた話が載っていました。
その他の種目でも、90kgを加重したディップスや、片側120kgのマシンショルダープレスなど、常人では到達できないようなハードなトレーニングを行っている映像がネットにあります。
トレーニング動画を見る度に、これだけの重量を扱うからこそこの肉体が作られるのかと納得すると同時に、自分のトレーニングがいかに甘いものであるかを強く感じます。
マッスル北村さんの行うトレーニングは、科学的には正しいのかどうか分かりませんが、人を惹きつけるようなものがあります。
マッスル北村式ハードコアワークアウト
概略
このマッスル北村式ハードコアワークアウトは、東大在学中に、前述の「伝説のバルクアップトレーニング」に書かれている内容と、トレーナーさんに聞いた昔話を合わせて、当時のトレーニングパートナーと編み出したトレーニング法になります。
マッスル北村式ハードコアワークアウトの基本は、筋線維をズタズタにして細胞の増加を引き起こすトレーニングと、細胞1個1個を膨らますトレーニングの2つからなります。
筋線維をズタズタにするトレーニングとしては、自力では1レップしかできない重量を補助ありで3レップ行うというものを取り入れました。
当時はこれを1回のトレーニングで20セット行っていました。
2人で交代しながら行うので、インターバルは30秒から60秒程度だったと思います。
2つ目の細胞1個1個を膨らますトレーニングとしてはディセンディング法を取り入れました。
自力で3レップできる重量からスタートし、限界が来るごとに少しずつウエイトを減らし、最終的に10レップできる重量まで下がったら終了という感じです。
これらのトレーニング法は、科学的な効率のよいトレーニング法とは異なりますが、当時はこのトレーニングを毎日のように繰り返すことで、筋力が非常に高まってボディビルの基礎ができたように思います。
初心者をやや脱した頃にこのトレーニングを行いましたが、毎回非常に充実感があったことを覚えています。
実践編
ここからは実践編ということで、自分の過去のトレーニング記録をもとに、思い出しながら種目の紹介をしていきます。
前述のマッスル北村式の考え方を元に、非常にボリュームの多いトレーニングを行っていたようです。
胸(月曜日)
胸のトレーニングでは、前半にマシンフライを行い、後半にマシンチェストプレスを行っていました。
マシンフライは、1レップしかできない重量を補助ありで強引に3レップやるやり方で、マシンチェストプレスは、3レップできるところから重量を下げていくディセンディング法のやり方です。
ある日のトレーニングメニューは以下のような感じです。
- マシンフライ→アップ後、メインセット50kgで20セット
- チェストプレス→84kg、70kg、57kg、43kgのディセンディングで5セット
マシンを使用しているので軌道は比較的安定していますが、それでも終盤になると筋力が落ちてきて動作が不安定になるので、パートナーに正しいフォームができるように補助してもらう必要があります。
マシンは動作が安定して行えるため、このテクニックを用いるならばフリーウエイトよりもおすすめです。
背中(火曜日)
背中のトレーニングでは、ハンマーストレングスマシンプルダウンと、ハンマーストレングスマシンロウを基本とし、それにシュラッグを組み合わせていました。
背中のトレーニングにはマッスル北村式は取り入れていませんでしたが、代わりに非常にボリュームの多いトレーニングをしていました。
- ハンマープルダウン→アップ後、メインセット60kg×2で20セット
- ハンマーロウ(ワンハンド)→アップ後、メインセット100kgで9セット
- シュラッグ→240kg、280kg、300kg(それぞれ持ち上げて維持するだけ)
シュラッグは通常のように肩をすくめる動作は行わず、とにかく高重量を持ち上げて維持するというやり方を行っていました。
これは、マッスル北村さんが、ジムにあるウエイトを全部つけたバーベルで持ち上げてゆするだけのシュラッグを行っていたというのを真似ていました。
ハンマーストレングスのマシンがなかったとしても、通常のラットプルダウンやマシンのロウイングで十分代用できると思います。
背中は自分だけだと効いている感じが分かりにくいので、パートナーにフォームを見てもらうと良いでしょう。
肩、大腿四頭筋(水曜日)
肩は、マッスル北村式ハードコアワークアウトでは行っていませんでしたが、マッスル北村さんが好んでいたというワンハンドプレスを非常によく行っていました。
通常のダンベルショルダープレスと比べて、ワンハンドなので集中しやすいのと同時に、チーティングして回数を稼ぐのも容易でした。
これ以外には、ディセンディング式のサイドラテラルレイズとマシンのリアレイズを行っていました。
ある日のメニューは以下の通りです。
- ワンハンドプレス→アップ後、メインセット33.8kg10セット
- ラテラルレイズ→20kg、12.5kg、8kgのディセンディングで5セット
- リアレイズ→アップ後120lbで10セット
自分はずっと肩が長所だったのですが、これはワンハンドプレスで基礎をしっかり作れたためだと思っています。
肩のサイズアップにはワンハンドプレスが非常におすすめです。
脚(大腿四頭筋は水曜日、後面は土曜日)
脚はこの頃は前面と後面で2日に分けていて、前面の日は、ハックスクワットと、スミスマシンを用いて足を前方についた状態で行うスクワットを行っていました。
メニューは以下のような感じです。
- ハックスクワット→アップ後、メインセット110kgで10セット
- 足出しスクワット→87kg5セット
後面の日は、フルスクワット、レッグプレス、ライイングレッグカールを行っていました。
後面のある日のトレーニングは以下のようでした。
- フルスクワット→アップ後、メインセット130kgで10セット
- レッグプレス→アップ後、メインセット320kgで10セット
この日はメインのスクワットを10セット行ってかなり疲労していたと思いますが、その後に補助ありのレッグプレスをさらに10セット行っています。
流石にその後にライイングレッグカールを行えるだけの体力はなかったようです。
脚のトレーニングは重量が扱える分危険も多いため、無理にマッスル北村式を取り入れなくても良いかもしれません。
脚の前面と後面を分けると、疲労が少ないためにしっかりと追い込めていた気がします。
腕(上腕二頭筋は木曜日、上腕三頭筋は金曜日)
腕も上腕二頭筋と上腕三頭筋で2日に分けてこの頃は行っていました。
二頭の種目は、北村式コンセントレーションカール、バーベルプリーチャーカール、ハンマーカール、ダブルハイプーリーカールまたはロープーリーカールでした。
この中で1番効果が高かったと思うのが北村式コンセントレーションカールです。
これは、高重量のダンベルをチーティングで挙上した後、ひたすらネガティブで耐えるというものです。
トレーニングの例は以下のような感じです。
- 北村式コンセントレーションカール→アップ後、メインセット33.8kgで30セット
- プリーチャーカール→アップ後、メインセット40kgで20セット
- ハンマーカール →10kg10セット
- ロープーリーカール→15kg10セット
- アーノルド式コンセントレーションカール→6kg3セット
今見ても、よくこんなにもたくさんのセットをこなす体力があったなという感じです。
現在の自分が同じトレーニングをしたら、あっという間にオーバートレーニングになるでしょう。
北村式コンセントレーションカールは、怪我のリスクも高いですが、その分効果も非常にある種目です。
三頭は、ディップスまたはナローベンチプレス、ライイングバーベルエクステンション、バーベルフレンチプレス、ロープーリーキックバックを行っていました。
トレーニング例は以下のような感じです。
- ディップス→アップ後、メインセット60kg加重で20セット
- ライイングエクステンション→40kg5セット
- バーベルフレンチプレス→10kg10セット
- ロープーリーキックバック→8kg10セット
ディップスについては、マッスル北村さんも、東大OBの佐々木卓さんも90kg加重して行っていたというのを聞いて、少しでもそれに近づけるようにと思い、高重量でやっていました。
ロープーリーのキックバックは、柔道の帯をロープーリーに結んで、両手で同時に引っ張るようなやり方でした。
このロープーリーのキックバックは特に三頭の収縮を感じられるので、とてもおすすめです。
三頭はかなりボリュームの多いトレーニングをしていたようです。
まとめ
今回はマッスル北村式ハードコアワークアウトについて解説しました。
筋肉をズタズタにするトレーニングと細胞1個1個を膨らますトレーニングの違いは今でもよく分かりませんが、当時は難しいことは考えずに無我夢中でトレーニングしていたことが、トレーニングノートの振り返りでよく分かりました。
ジムが再開したら、またこのような熱意を持ってトレーニングしたいなと思いました。
北村式トレーニングは非常に効果の高いトレーニング法なので、パートナーがいる人は是非とも試してみていただければと思います。
4,868 total views, 1 views today
筋肉をズタズタにするトレーニングは普通の人ではできなさそうですね。。北村さんが追われるようにハードなトレーニングに励んでいた理由が気になります。動画を見ても良い人柄なのが伝わってきます。
マッスル北村さんは、理想の肉体を作り上げることに全身全霊をかけていたのだと思います。
自分に厳しく、人に優しくを体現した素晴らしい人だと思います。